磯波さん日展初入選 30歳、若さでの快挙
update 2010/11/14 15:02
東京の国立新美術館で12月5日まで開かれている「第42回日展」書部門で、函館恵山中の磯波理恵教諭(30)=号・水鈴=が初入選を果たした。30歳の若さで女性が日展に入賞するのは珍しく、磯波さんは「自分が選ばれるとは夢にも思わなかった。これからも挑戦していきたい」と喜んでいる。
磯波さんは旧函館北高校に入学し、同校の鈴木孝徳教諭(号・大有)の指導の下、書を始めた。現在は生徒に指導する中で、札幌や東京で開かれる書道展に足を運ぶ。「書の線質を見て、作品の息づかいを感じることはとても勉強になる」と話す。
今年春、所属する創玄書道会が静岡県熱海市で開いた研究会で修養し、7月に開かれた毎日書道展で、近代詩文で毎日賞を受賞。さらに8月に開かれた同研究会にも参加し、日展向けに伝統書(調和体)のけいこに励んだ。
作品は「夜深き窓の外」。明治時代の詩人、土井晩翠の詩集から「夜深き窓の外 しばし雲間を洩れいでて〜」と続く文に挑戦。「明治のころの、しっとりと落ちついた言葉を選んだ。かな文字の空間を広く置き、文字の並びは単調にならないようにした」と話す。100―150枚をしたためたという。
快挙に、創玄書道会などで活躍する函館の千葉軒岳さん(72)は「近代詩文、伝統書で受賞できることも素晴らしい」と努力をたたえる。磯波さんは「高校時代から函館のさまざまな先生の指導を受けられたおかげ。勉強し続けるため、これからも(日展に)臨んでいきたい」と意欲を新たにしている。
今年の日展で函館からは、磯波のさんのほか、書で上山天遂さん、黒田仙雪さん、鈴木大有さんが、洋画で南巖衛さんがそれぞれ入選している。
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