証拠改ざん事件で密室性批判 江川紹子さんが講演
update 2010/11/14 15:02
【北斗】ジャーナリスト、江川紹子さんの講演会「混迷する現代社会を想う」が13日、北斗市東前の市農業振興センターで開かれた。江川さんは大阪地検特捜部の証拠改ざん事件など社会問題化している事件を詳述しながら、メディア報道や世論の過熱化に警鐘を鳴らし、国民も冷静に判断していく大切さを説いた。
北教組渡島支部の主催で、約180人が聴講した。
江川さんはこのほど、大阪地検特捜部の事件を受けて設置された「検察の在り方検討会議」の委員に就任。講演では、同事件をはじめ過去に起きた冤罪事件などを解説しながら、検察の“ストーリーありき“の捜査手法や密室性、体質を批判。「倫理規定だけでは限界があり、制度として変えていく必要がある。検察の構図通りに自白を集める人が出世する人事評価システムを改めるべき」と語ったうえで「不正を暴いてほしいという世論の期待感やメディアの論調も検察にプレッシャーを与えている」とした。
尖閣諸島での中国漁船の衝突映像が海上保安庁から流出した事件にも触れ、映像を流した保安官の違法性について解説。一部で保安官を英雄視する世論があることに「感情的に一方向に向かい、メディアもこれに傾斜していくのは危険」と警戒感を示し、「政治も検察も世論に対し、右往左往している。市民もメディアとのかかわり方を学び、冷静に判断していくことがこれから大事になる」と述べた。
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