国境越えキムチ作り、乙部町商工会が本道・韓国の産学官連携に参画

update 2010/11/12 11:14


 【乙部】乙部町商工会(三上岩雄会長)は、本道と韓国の産学官が連携して、道内産農水産物を活用したキムチの生産や販売に取り組む国際プロジェクトに参画することを決めた。今冬から町内企業を中心に本場・韓国の支援を受けながらキムチの試作に乗り出す方針だ。

 プロジェクトは馬渕悟・道東海大教授が代表を務める北海道MDブランド研究会を中心に、道内の市町村、農漁協、物流・小売・食品関連の企業が参画。道南からの参加は同商工会のみ。韓国・高麗大学の李鎮奎教授を窓口に韓国政府のバックアップも得る。

 韓国内でも評価が高い北海道ブランド≠前面に押し出した販売戦略を基本に据え、道産食材の流通促進、日本国内でも健康食として注目されているキムチの消費拡大、食を通じた企業間や市町村レベルでの交流促進などの幅広い展開を検討する。韓国はキムチなどの韓食≠世界に売り出す国家プロジェクトを掲げている。原料となるスケトウダラやホタテなどの魚介類や野菜類など、優れた農水産物を供給する本道との連携に政府レベルでも強い意欲を示し、韓国農水省もプロジェクトへの支援に乗り出した。

 10月には三上会長らプロジェクトメンバーが韓国で現地視察を行い、キムチ工場の見学や国際シンポジウムに参加した。三上会長は「韓国は国を挙げてキムチを世界に売り出している。道内での販路開拓や韓国への逆輸出も視野に入れていきたい」とする。

 町内では、食品会社のはまなすフーズが、商品試作の準備を進めている。韓国側からレシピや唐辛子など原料の提供を受けるほか、韓国の代表的なキムチ製造会社から指導者を招いてノウハウを学ぶという。同商工会は、町内産タラコのブランド化や、福岡県の企業と連携した辛子めんたいこの開発にも取り組んでいる。敦賀正春事務局長は「キムチの生産ノウハウを辛子めんたいこの製造にも反映したい」と話す。寺島光一郎町長も「韓国では食の安全に対する意識が高まり、消費者はコストが安い中国産よりも日本産の食品を求めている。生産が軌道に乗れば韓国への輸出を含めた展開も可能になるはず」と期待感を示している。

提供 - 函館新聞社


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