新熱伝導パイプの活用法探る 産業・技術融合推進事業
update 2010/11/11 10:14
東京の企業の先進技術と地元企業のものづくり技術とのビジネスマッチングで誕生した「新熱伝導パイプ」の活用法や事業展開について考える「函館産業・技術融合推進事業」事業化検討会(函館市など主催)が10日、函館高専(函館市戸倉町)で開かれた。会場では試作品が初披露され、製品の特徴や商品化に向けた課題が話し合われた。
「新熱伝導パイプ」は真空装置開発の菅製作所(北斗市追分3、菅育正社長)と、半導体関連企業のアクセプターテクノ(東京、滝川裕弘社長)が同事業で共同開発。二重構造で真空状態のステンレス製パイプの熱伝導を利用し、道路や屋根の融雪、建物の暖房などへの活用が期待されている。
検討会には市内の住宅、土木関連業者ら約80人が参加。菅社長はパイプ内の溶液が音速で気化、凝縮を繰り返す熱伝導の仕組みや、ステンレス製によって高い耐久性や省エネ効果を実現できたことを説明。「現在は手作りだが、量産コストは1本数万円程度。量産化に向けて製造技術を高め、用途開発を進めなければ」と述べた。
会場では参加者が片側を湯につけたパイプが先端まですぐに温まるのを体感。途中会場に駆け付けた西尾正範市長は「函館のものづくり技術で生み出された魔法のパイプ。世界中に広めてほしい」とエールを送った。続いて滝川社長は床暖房やロードヒーティングなど実用実験の事例を紹介し、「地熱や温泉の排水など自然エネルギーを使うことで省エネ、コスト削減効果は高まる」と語った。
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