函館空港 乗降客数8年ぶり増加 持ち直しの兆し
update 2010/11/7 15:02
函館空港の本年度上半期(4―9月)の乗降客数は、前年同期比9・4%増の86万1701人で、2002年以来8年ぶりに前年同期を上回った。新型インフルエンザの流行で大幅に落ち込んだ前年の反動が大きいが、夏季に増便した関西便や、国際線のソウル(仁川)便が好調だった。改装した函館競馬場や箱館奉行所のオープンなど観光のプラス材料も重なり、低迷していた空の便に持ち直しの兆しが見られた。
函館市や函館空港ビルデングによると、国内線は同8・4%増の82万3041人。特に6―9月限定で全日空の関西便が一日1往復から2往復に増便され、同45・1%増と好調だった。日本航空も7―8月にかけて羽田便の機材を大型化して前年2便だったジャンボ機を70便運航し、同6・1%増えた。
主力の羽田便は、6月に函館競馬場がリニューアルした効果で「観戦客に加え、競馬関係者の利用が増えた」(同社)。7月にオープンした箱館奉行所も数字を押し上げ、羽田便全体では同7%増の61万5020人と、国内線全体の約75%を占めた。
道内路線では、北海道エアシステム(HAC)の丘珠便が同47・7%増と急伸。エアーニッポンネットワーク(A−net)が丘珠線を新千歳に移行した影響で、ビジネス需要を独り占めした形だ。一方、A−netは前年の丘珠便に比べて乗降客数は1−3割減少し、搭乗率も30%前後と苦戦を強いられた。
国際線では、定期とチャーターを合わせ、同39・2%増の3万8660人と好調。唯一の定期路線・ソウル(仁川)便が3月に機材を145人乗りに小型化したにもかかわらず、同0・5%減の1万8669人で、搭乗率では採算ラインの70%台を確保した。チャーター便では昨年新型インフルの影響で激減した台湾からの観光客が復調し、同2・24倍の1万9991人と急増した。
函館空港の年間利用客数は1998年の248万9218年をピークに減少傾向にあり、昨年は過去20年間で最も少ない150万3885人にまで低迷。本年度上半期は増加したものの、リーマンショック前の2008年度上半期と比べると、依然として10・5%減少しているのが現状だ。
今年12月の東北新幹線新青森駅開業や5年後の北海道新幹線新函館駅(仮称)延伸について、同社は「少なからず減少することは懸念している。先行きは不透明だが、相乗効果を高めなければ」と話す。市空港振興課も「入り込み数全体が増えるのはむしろプラス要素。新幹線と航空機を片道ずつ利用する需要もあるはず」としている。
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