禁煙外来 なお人気 たばこ1カ月
update 2010/11/3 14:02
10月1日に行われた、たばこの大幅値上げから1カ月が過ぎた。函館市内では、禁煙外来を設ける医療機関で新規患者の来院や問い合わせが相次いでいるほか、禁煙補助薬の売れ行きも好調で、市民のたばこ離れは止まらない。一方で、販売店などでは、安価な銘柄を求める客が急増するなど、前例のない大幅値上げにさまざまな反応が見られている。
■「貼り薬」でも 問い合わせ相次ぐ
医療機関では、たばこの値上げが発表された4月から、禁煙成功率が高い飲み薬「チャンピックス」の高い需要が続いていたが、10月に入り、製薬大手のファイザー(東京)が供給困難と判断し、新規患者向けの供給を停止。医療機関に対しては年明けをめどに安定供給することを発表していた。
それでも新患は減らない。函館新都市病院(石川町)では、貼り薬タイプの「ニコチネルパッチ」での受診を求め、問い合わせや予約が依然として続いている。青野允病院長は「チャンピックスより禁煙成功率は低いが、来年のチャンピックス供給まで待てないという心理が働いているのでは」とみる。
禁煙グッズの人気も衰えない。市内美原のサンドラッグ美原店(MEGAドン・キホーテ函館店内)では、禁煙時のいら立ちを緩和できる「ニコレットガム」(24個入り、2415円)や、値段が手ごろな「禁煙パイポ」(3本入り、267円)が人気。同店は「値上げ前の9月から求める客は止まらない」と話している。
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値上げを機に、禁煙に踏み切った市民からは、さまざまな声が聞かれる。
チャンピックスの効果で1カ月以上禁煙に成功しているという市内の主婦(43)は「薬を飲んでから約2週間でたばこから離れることができた」と喜ぶ。喫煙歴30年の医師(50)は、健康への配慮から値上げを機に、妻と一緒に禁煙を決意。「来年まで待つより、ニコチネルパッチでもいいからチャレンジしたい」と10月末から禁煙治療を受けている。
受診にもグッズにも頼らず禁煙を続ける市内の会社員男性(36)は「経済的に厳しく、自力で頑張る。10月以降は1本も吸っておらず、気持ちも穏やか」と笑顔で話す。
■販売激減…安価銘柄の需要増
「常連客が来ない」。値上げ前の9月は人気銘柄セブンスターが過去最多の約2400箱売れたという、函館市宮前町のセラーズ磯(磯雅晴店長)は、10月以降の売り上げについて「悲惨な状態」と嘆く。まとめ買いした客が戻って来るのは、11月半ば以降と見込んでいる。
その半面、「ゴールデンバット」(1箱200円)や「エコー」(同240円)の需要が増えているという。10月の販売数は30日現在で「ゴールデン─」295箱、「エコー」231箱となり、前月比でそれぞれ2・2倍、1・3倍に。葉やフィルター、専用の紙で作る手巻きたばこに切り替える人も増えており、磯さんは「1600円前後で70─100本は吸える。葉の量を変えれば好みの味も楽しめるのが受けているのでは」と話す。
ローソン函館中島町店(中島町)でも、低価格のたばこを買い求める市民が急増。同店は「週3回発注でこれまで、ゴールデンバットやエコーの在庫を意識することはなかった。今後も好調が続くのでは」と話している。
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