普及進むデイジー図書、書籍を音声化しCDに収録

update 2010/11/1 10:26


 印刷物の文章を音声化し、CDに収録したデイジー図書の普及が進んでいる。カセットテープに変わる新たな録音図書で、函館市内でも視覚障害者などからのニーズが高い。市総合福祉センター(若松町33)内にある「函館視覚障害者図書館」では、音訳図書のほとんどがデイジー図書に切り替わっている。利便性は高く、需要もますます高まっているが、製作者が不足しており、人材の育成が課題となっている。

 デイジー(DAISY)は、デジタル・アクセスシブル・インフォメーション・システムの略で、英語の頭文字を取り、デイジーと呼ばれるようになった。

 デイジー図書は「プレクストーク」と呼ばれる専用の再生機器を使って読み、読みたい章、ページの検索や飛ばし読みなどをボタン操作で容易にできる。1枚のCDで50時間以上の録音が可能で、カセットテープ録音よりも利便性は高い。

 視覚障害者だけでなく、文章を読むことが困難な発達、知的障害者らにも普及が進んでいて、パソコンのソフトを使い、音声と映像で文章を表すマルチメディアデイジーも実用化されている。

 同図書館でも2000年からデイジー図書を取り入れ、蔵書数は年々増加。近年はカセットテープ録音のデイジー図書切り替えも進めている。貸し出しのほとんどがデイジー図書で、今年の貸し出しは、これまで昨年の4500タイトルを大幅に上回る約6800タイトルに上る。

 図書館のデイジー図書は音訳ボランティアの「青い鳥朗読奉仕団」が製作に当たっているが、会員75人中、製作、編集のノウハウを習得しているのは、10人程度。需要が高まる中、デイジー担当者の負担は増えている。

 デイジー図書の製作には、特殊な編集技術を覚える必要があり、同奉仕団の森田直子代表は「最低限パソコンを使うことができ、なおかつ本に興味がないと務まらない。根気と手間のかかる作業」と話す。

 ベストセラー小説や不朽の名作、人気作家の本はデイジー化が進んでいるが、行政機関が出している災害時のマニュアルや福祉、病院施設などの冊子など身近な情報のデイジー化も課題。森田代表は「今後、デイジー図書の技術講習会も企画していきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社


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