山丁林業の澤村社長に 林野庁長官賞

update 2010/10/30 11:44


函館市金堀町8の山丁林業社長の澤村敏雄さん(81)が、森林の適正管理に努めたとして、本年度の林野庁長官賞を受賞することが決まった。渡島管内では唯一で、同管内からは7年ぶりの受賞。積極的な植樹や間伐に加え、人材育成にも力を入れてきたことが評価された。澤村さんは「大好きな山で仕事をしてきただけで、功績を残すようなことは何もしていないが、評価されるのは素直にありがたい」と喜んでいる。

 地域振興を掲げ、優秀な林業経営者を表彰する「農林水産祭参加全国林業経営推奨行事」として受賞が決まったもの。同賞は全国で11個人、5団体が選ばれ、道内からは澤村さんを含む2個人が射止めた。

 澤村さんは旧大野町(現北斗市)出身。地元の木材会社勤務を経て、30歳に独立し、電柱用のスギ丸太を本州へ出荷して戦後の復興を支えた。

 その後、電柱はコンクリートとなり、スギの需要は減少したが、「山をやぶにせず、地域に必要とされる存在にしなければならない」と計画的な山林経営を展開してきた。

 社有林は約150fに達し、そのうち人工林が53%を占める。時間を見つけては散策し、「100年、200年先にどう成長しているか楽しみ。長い時間だが、日々の成長を感じていると何とも言えない気持ちになる」と目を細める。

 豊かな経験を生かし、道認定の「指導林家」としても活躍。各地で後継者育成や育樹活動の講師役をボランティアでこなし、28日には社有林で指導林家を対象にした現地研修会で案内役を務めた。

 渡島東部地区指導林家連絡協の石井美智磨会長は「われわれにとってこの賞は『ノーベル賞』にも匹敵する。澤村さんの仕事にかける思いを学んでいきたい」と同研修会で参加者に呼び掛けた。

 表彰式は11月17日に東京で行われる。澤村さんは「私以上に林業に努力する関係者が多い中で恐縮だが、いつも応援してきてくれた仲間とこの喜びを分かち合えれば」と話している。

提供 - 函館新聞社


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