トンネルマン縁起担ぎ、「崩す」ご飯食べません

update 2010/10/29 11:45


 大好物は工事完了までのおあずけ―。トンネル工事に携わる関係者は、難工事を無事乗り切るため、いろいろな縁起を担いでいる。卵かけご飯を食べないといったこだわりの食事方法や独特の風習が多く、「危険を伴う仕事なので、このジンクスだけは譲れない。最新技術に加え、神頼みが重要。すべては安全のため」と日々現場で汗を流す。

 函館市南茅部地域の国道278号バイパス「尾札部道路」新豊崎トンネルでは20日、住民が工事現場見学会に参加。掘削の最先端部を見て回り、着実に進む工事状況を確認した。

 見学会で、参加者を戸惑わせる場面があった。トンネル内部に女性が入ろうとしたとき、「申し訳ない。工事期間中は、中に女性を入れないようにしているので、外で待っていてほしい」。工事責任者によると、山の神は女性なので、嫉妬の災いが起きないよう「女人禁制」の習わしという。

 新豊崎トンネル工事事務所の鈴木浩史所長(40)は「何も悪気はなく、われわれの思いを何とかくんでもらえないだろうか」と頭を下げ、トンネルマンならではの逸話を紹介。鈴木所長は、卵かけご飯が大好きだが、工事が始まると完了するまで一切食べない。「お茶漬けも食べない。崩れるを連想させるから」。

 ほかの作業員もうなずいて続ける。「この工事が無事終わり、バイパスが全線開通することは地域の喜びであり、われわれの楽しみでもある。大好きな卵かけご飯が食べられるから」と笑い声が響き、見学会は和やかな雰囲気に一変した。

提供 - 函館新聞社


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