乙部漁港、屋根付きの岸壁完成へ

update 2010/10/27 10:48


 【乙部】乙部漁港中央ふ頭で、2009年度から整備を進めている、上屋根を備えた衛生管理型岸壁が11月中旬にも完成する見通しになった。

 09年度には、漁港北側の岸壁に長さ56メートル、幅10メートルの屋根を建設。本年度は引き続き、南側の岸壁に長さ96bの屋根を整備してきた。いずれも内部には、水産物をカモメのふんから守る「防鳥ネット」を張るなど、衛生管理に配慮した構造。工事は11月中旬までに終わる見通し。漁港は日本海の爾志海区(乙部町・八雲町熊石)で、真冬のスケトウダラ漁を行う乙部船団の拠点港。今シーズンからは、荷揚げ作業の効率化や衛生管理のさらなる向上が期待されている。

 岸壁を覆う屋根が無かった同漁港では、荷揚げ作業を行う漁業者は、風雪やカモメのふんなどから、水産物を守るため苦労を続けてきた。町は2001年、漁港を管理する道に上屋根の整備を要望したが、道が提示した建設費は約3億4000万円に上った。

 建設には町の費用負担も伴うため、財政的な重荷となることを懸念した漁業者からは「身の丈にあった施設で十分だ」として、建設費の節約を求める異例の展開となり、町や町議会を挙げて、道や道議会に安価な工法の採用や費用対効果の検討を求めるなど、多額の予算を投じる公共工事のあり方に一石を投じた。

 道と地元関係者の粘り強い協議の結果、建設構想の浮上から8年が経過した09年に道と町がようやく合意。建設費の圧縮や軟弱な地盤に対応して、屋根の高さは他の漁港にある設備より低く設計。フォークリフトを使ったスケトウダラの荷揚げ作業に支障がない3.5メートルの高さとするなどの工夫を盛り込んだ。海水供給施設や舗装工事などの費用を含めた総事業費は約2億2999万円。当初の試算より1億1000万円も割安になった。国が1億3800万円、道は6133万円、町も3066万円を負担している。

提供 - 函館新聞社


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