今夏の猛暑で海水温下がらず スケトウ漁期に遅れも

update 2010/10/26 10:49


 【江差、乙部】今夏の猛暑の影響で桧山沿岸の日本海では、海面付近の海水温が20度前後と高い状態が続き、例年は11月上旬に始まるスケトウダラ漁も出漁時期の遅れが懸念されている。

 桧山沿岸では、例年11月上旬から、爾志(乙部町・八雲町熊石)、江差、上ノ国の3海区で、約60隻の漁船がスケトウダラ漁に出漁する。出漁日は爾志海区が11月3日前後、江差・上ノ国海区は5日前後となっていた。

 しかし、ここ数年は海水温の上昇傾向に伴い、スケトウダラの魚群が、はえ縄が届かない深さ500メートル前後の深海に潜ったままでいることが多くなり、解禁直後の11月上旬から12月上旬の漁期前半は、不漁の傾向が顕著になってきた。今季の出漁日は海水温を見ながらの最終判断となるが、桧山沿岸の海水温は猛暑の影響もあり20度前後で推移しており、11月中旬以降にずれ込む可能性が濃厚な気配となっている。

 台風や低気圧の通過で海が荒れ、海水がかき回されると水温も下がるが、今年は日本海に入った台風はゼロのまま。11月上旬までは穏やかな天候が続くと予想されている。海水温が高止まりの状態にあるため9月中旬には、乙部町で海面近くの定置網に入ったサケが水揚げ前に死んでしまうケースも相次いで発生。漁業関係者は「冷たい水を好むサケは、水温が高いと沖合いや深い海に逃げるが、網にかかり逃げられずに死んだらしい。こんな事は今までで初めてだ」と驚きの表情だ。

 桧山振興局によると2009年度、桧山沿岸のスケトウダラの漁獲量は3232トン(対前年比2・3%減)で、1993年以降では最低水準だった。年明け以降はほとんど水揚げがない地域もあり、1月上旬には漁を打ち切った漁業者も多かった。桧山沿岸の漁獲量は1993年度の1万7770トンをピークに減少。06年度は最盛期の半分に当たる5273トン、07年度は4932トン、08年度も3430トンと右肩下がりで落ち込みが続いている。

提供 - 函館新聞社


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