医学部設置検討懇話会、理念や教育内容で議論

update 2010/10/23 11:44


 函館市が模索する、公立はこだて未来大学への医学部新設の可能性を検討する「医学部設置検討懇話会」(会長・今井浩三東大医科学研究所付属病院長、委員10人)の第2回会合が22日、ロワジールホテル函館で開かれた。医学部設置の場合に持つべき機能や特色について議論し、理念や目標、教員組織などの観点からさまざまな意見が出された。市は年内をめどに懇話会から報告書を提出してもらう方針で、西尾正範市長は「できれば作りたいという方向で進めたい」と述べ、設置に向けて積極的に取り組む姿勢を示した。

 委員会は今年7月に発足。前回会合では民主党政権の考え方や、医師不足の現状と対応策などについて議論している。今回は教育理念や病院の機能を踏まえた教育内容、教員組織と定員、入学制度などについて各委員が意見を出し合った。

 未来大の中島秀之学長は、目指す医学部像として「北海道の広さを埋めるのが情報通信の役割」と述べ、情報と医療技術との融合の有効性を提言。吉岡充弘・北大大学院医学研究科副研究科長は「理念や目標を明確にすべき」、伊藤丈雄市医師会会長は「特色ある医大を作るなら、地域に密着した形が望ましい」と述べ、地域医療に力を注ぐべきとした。

 さらに患者の疾患だけでなく、心理・社会面を含めて患者を包括的にとらえる「全人的医療」を目指すべきとの声も多く、「患者を治すとの視点に立った教育システムを作るべき」などの指摘があった。

 入学制度に関しては、地域枠制度の設定や地域の高校との連携などについて話し合い、「地域からの支援をもらえる大学でなければ難しい」との意見や、「空港が近いのは利点。外国にいる日本人医師を招くのもいい」などの意見が出た。

 懇話会は今回で終了し、市は報告書提出を受けて具体的な検討を進める。西尾市長は「夢のような話だが、最初で最後のチャンスと感じている。未来への投資を考えれば壮大ないい事業。前に進める形で取り組みたい」と述べた。

提供 - 函館新聞社


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