秋サケ漁 回復の兆し 水温下がり水揚げ伸びる

update 2010/10/5 11:13


9月8日の解禁直後から不調だった函館近海の秋サケ漁は、10月に入り、回復の兆しが見えてきた。サケが好む水温変化や来遊ピーク時期突入などがプラス材料となり、各地で水揚げが伸びている。専門研究機関は「今年は残暑の影響で、サケの来遊が1旬ずれていることも考えられる」と予測。漁業関係者は「目に見える形で漁が上向いてきたので、ほっとしている。これからが本番」と巻き返しに躍起だ。

 渡島海区漁業調整委員会の最新のまとめ(9月末現在)によると、渡島の定置網漁獲量は13万7680匹(過去5カ年平均25万7204匹)と例年を下回っているものの、長万部―森町砂原が6万8768匹(同6万7129匹)と豊漁傾向だ。

 解禁直後は13匹と極端に少なかった北斗上磯―松前は5013匹(同1万9402匹)と盛り返している。函館市南茅部地域でも、3日の水揚げが約1000匹と話題は明るい。サケがとれず、この日のイベント販売の可否が心配されていたが、地元漁師は「運良く朝は大漁だった。お客さんも喜んでくれた。このまま大漁が続いてほしい」と願う。

 9月中旬のサケ漁の不調は、記録的な猛暑で海水表面に熱がこもり、沿岸への来遊を遠ざけていた可能性が高いとされる。道総合研究機構さけます・内水面水産試験場道南支場は、水温が下がり始め、平年並みになってきたことを漁の復調の要因に挙げ、「サケが好む14―15度になれば、もっと漁は期待できる。寒気と適度なしけが大漁への条件」とみる。

 一方、河川ではサケが懸命に遡上(そじょう)しているという。同支場の研究職員は「河口によっては水温が20度とサケにとってはかなりの高温だが、産卵のために無理をしてでも遡上し、生命をつないでいる」と紹介する。

提供 - 函館新聞社


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