箱館奉行所復元工事 瓦担当者に感謝状

update 2010/10/5 11:12


函館市は4日、今年7月にオープンした箱館奉行所の復元工事に携わった福井県瓦工業協同組合の新谷孝雄理事長(63)、鬼瓦を作った鬼師の西郡正義さん(82)=福井県あわら市=、瓦ふき職人の渡辺権蔵さん(63)=同県越前町=の3人に感謝状を贈った。西尾正範市長は「伝統ある技術を駆使していただきありがとうございます」と感謝の意を伝えた。

 約3万8000枚製造された瓦は、20種類の試作品から最終的に4種類に決定した。当時の色合いを出すのは、現在の機械化された手法では非常に困難で、鉄分やマンガンなどの含有物の量と、うわ薬を微調整して作りあげた。

 新谷理事長は「大量の枚数の瓦を作りあげるのと、当時の写真を見ながら設計通りに復元することにとても苦労したが、やりがいがあった」と振り返った。

 渡辺さんは、同じ瓦を2枚続けて使わないなど、職人として培った技術で屋根ふきを行った。西郡さんは、設計を担当した文化財保存計画協会と何度も話し合いを重ね、歴史に忠実な鬼瓦を作りあげた。

 奉行所復元に関わったことについて西郡さんは「すばらしい仕事をさせてもらい、職人冥利(みょうり)に尽きる」、渡辺さんは「奉行所に携わることができて学ぶことが多かった」と笑顔で話していた。

提供 - 函館新聞社


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