函館地域産業振興財団など開発、通電加熱の性能公開

update 2010/10/1 10:17


独立行政法人水産大学校(山口県下関市)や函館地域産業振興財団などの共同研究グループが開発した通電加熱技術による水産加工品の加熱、殺菌装置の実演公開が30日、函館市桔梗町の道立工業技術センターで行われた。研究開発に携わった企業、研究機関の関係者約20人が出席し、性能を確かめた。

 通電加熱は、食品に電気を流すことで食品自体が発熱し、加熱する仕組み。農林水産省の委託を受けて実施した事業で、大学、企業、研究機関計8機関が参画し、昨年度から研究開発に取り組んできた。

 公開した装置は、乾燥イカの加熱(焼き)と圧延の2工程を同時にできる「イカ珍味加工用のローラー式通電圧延加熱装置」と、松前漬けなど水産食品の殺菌、減菌をする「通電パイプ式連続加熱殺菌装置」。

 イカ珍味加工は、イカの胴肉を乾燥させた「ダルマ」と呼ばれる中間原料を加工して裂きイカなどを製造する。一般的に加熱と圧延を別々の工程で行うが、開発した装置では圧延用のローラーが電極の機能を果たし、2工程同時にできるようにした。

 一方、パイプ式の殺菌処理装置は、連続的にパイプに松前漬けなどを送りこみ、1分以内で加熱殺菌する。各事業所とも水産加工品の殺菌処理に苦慮していて、殺菌には高温度で長時間の加熱が必要となるため、うま味など品質にも影響を及ぼす。装置では通電加熱技術でその悩みを解消した。

 公開では、同振興財団の吉岡武也主任研究員とフロンティアエンジニアリング(東京)の星野貴常務がそれぞれ装置の性能や通電加熱の利点などを説明。実際に実演用の装置を使い、ダルマの加熱や松前漬けの殺菌消毒を行った。

 星野常務と水産大学校の福田裕・特任教授は「通電加熱は熱効率も良く、栄養成分や品質を保ったまま加熱や殺菌処理ができる。コストや時間のロスを軽減させられる」とメリットを強調した。

提供 - 函館新聞社


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