ショパンコンクール本選出場の岡田さんインタビュー「目標1位…楽しみたい」
update 2010/9/11 10:57
函館出身のピアニスト、岡田奏さん(19)が、10月にポーランドの首都、ワルシャワで開かれる「第16回ショパン国際ピアノコンクール」本大会に出場する。若手奏者81人が挑む世界最高峰の同コンクールには3つの予選があり、ファイナルに進めるのはわずか10人という難関。14日の函館出発を前に、同コンクールに向けた意欲などを聞いた。
――コンクールに応募した動機を教えてください。
10年前には漠然と、中学生の時には本気で挑戦したいと思っていました。今年6月にパリ国立高等音楽院ピアノ科を卒業するということで、一つの節目でもあり、これまで学んできた成果を披露してみたいと考え、応募しました。
――パリでの4年間を教えてください。
単身でフランスに渡った15歳の時は、フランス語もままならず、生活習慣の基盤を築くのにとても苦労しました。しかし、世界から集まる同期の人たちとの交流や、パリの街並みや風景には新鮮な発見があり、飽きることがありません。そうした楽しい日常を送る一方で、毎日の練習も怠りなく頑張ってきた成果だと思います。
――今回のコンクール予備審査は、ポーランドでの航空機墜落事故、アイスランドでの火山噴火といった大混乱の中で開かれる異例の幕開けになりました。
現地の飛行機が飛ばなくなる中、TGVと寝台列車を乗り継いで何とか予備審査会場にたどりつきました。ただでさえ高名なコンクールである上に大天災とあってさすがに動揺しましたが、「ここまできたら弾くしかない」と自分を強く持って臨みました。
――もうすぐ故郷函館を出発します。
14年間過ごした函館はパリでも忘れられない大切な故郷。年に1、2回帰国するたびに出迎えてくれる学校の先生方や同級生、そして家族の励ましがなければここまで頑張れなかったでしょう。自分を育ててくれたこの街を本当に誇りに思います。
――最後に、本大会への抱負を聞かせてください。
私が一番あこがれるアルゼンチン出身の世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチさんら素晴らしい先生方が審査する前で演奏できるのが本当にうれしい。目標は一位ですが、心から楽しんで鍵盤に向き合いたいです。
プロフィル=おかだ・かな 函館鍛神小、同本通中出身。中学卒業後の06年に単身渡仏し、パリ国立高等音楽院ピアノ科に入学し、今年6月に同科を首席で卒業した。08年にはラニーピアノコンクール(フランス)で最年少優勝、09年にはエピナル国際ピアノコンクール(フランス)で3位入賞するなど実績を重ねてきた。現在は同音楽院室内楽科に在学中。
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