09年度、函館市が赤字転落
update 2010/9/7 10:20
函館市の2009年度全会計連結決算は2億9800万円の赤字に転落した。8600万円の黒字を計上した08年度から一転、病院事業会計の赤字幅が増加し、他の会計で補うことができなかった。全会計の赤字額の合計割合を示す「連結実質赤字比率」は0.41%で、早期健全化基準(16.25%)からみると余裕はあるものの、体質改善が課題となっている。
自治体の財政状況は地方財政健全化法に基づき、07年度決算から@普通会計の実質赤字比率A全会計の連結実質赤字比率B実質公債費負担率C借金の将来負担比率―の4指標で示すことが義務付けられている。
09年度の普通会計決算は8億3421万円の黒字で、@の実質赤字比率は0%。市財政課によると、地方交付税が当初見込みより16億円増えたことで市税収入の減少をカバーし、11億円を予定していた基金の取り崩しもせずに済んだ。一方で国が認めた借金である退職手当債を約20億円発行して賄った面もあった。実質的な赤字体質に変わりはなく、借金に頼らない財政運営が求められる。
通会計に特別会計や企業会計を加えた連結決算が2億9800万円の赤字。国民健康保険事業が6億5001万円、自転車競走事業が5億5237万円、病院事業も24億5596万円の資金不足を抱えており、一般会計のほか水道事業(15億7118万円)の黒字をもっても、黒字には届かなかった。各指標には監査委員の意見を付すことになっており、市監査委員は病院事業に対する個別意見として、病院事業改革プランに基づいた「医師や看護師確保などの診療体制の強化と、さらなる経費の削減」を求めている。
標準財政規模(市税と地方交付税)に対する借金返済の割合を示す実質公債費負担率は9.0%で、08年度の10.0%から改善。黄信号ラインとなる国の早期健全化基準(25%)を下回る。一方で、借金の将来負担比率は08年度の128.7%から130.1%に悪化。監査委員は少子高齢化と人口減少の影響で「一般財源の大幅な増収は見込めない」とし、計画的な借り入れと行財政改革の推進を要望している。
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