7月の道南経済動向 観光持ち直し上方修正 猛暑で個人消費も好調
update 2010/9/2 11:01
日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は1日、7月の道南の金融経済動向を発表した。公共投資が予算の削減で頭打ち感を強めているものの、昨年流行した新型インフルエンザの影響による反動増や函館競馬場の改装オープンなどで低迷していた観光が復調傾向にあり、同支店は景気判断を「持ち直しや下げ止まりの動きが広がり、厳しい状況が緩和されつつある」とした。
全9項目のうち「観光」を2カ月ぶりに上方修正した以外は、前月(6月)までの判断を据え置いた。市川支店長は「猛暑やエコカーの買い替え補助制度に伴う個人消費の好調ぶりは一時的な特殊要因であり、今後、株価の低迷や公共事業の削減など景気の下押し圧力も懸念される」と先行きに慎重な見方を示す。
個人消費は高温で夏物衣料やエアコンなど季節家電が好調で、主要小売店10社の売上高が前年同月比2・0%増と4カ月連続でプラス。一方、株価下落の影響で宝飾品やブランド品など高額品の動きは鈍った。新車登録台数は9月末で一部終了となる買い替え補助制度の駆け込み需要も出始め、乗用車(軽乗用車を含む)は同21.1%増と12カ月連続で前年を上回った。
観光は前年同期に新型インフルの影響で落ち込んだ反動や競馬関係者の入り込み増、箱館奉行所のオープンなどが相まって、いずれの指標も対前年比2けたの急伸。「前年に渡航を控えていた外国人客も増えていて、リーマンショック前の一昨年の水準まで回復してきた」(同支店)。
主要ホテル20社の宿泊客数は同12.2%増で5カ月連続で前年を上回った。函館空港乗降客数は国内便(同12.3%増)、国際便(同5939%増)とも前年実績を上回り、全体(同14.1%増)では7カ月連続で増加。函館山ロープウェイ(同27.2%増)や五稜郭タワー(同12.2%増)の利用客も大幅改善した。
公共投資は参院選の影響による工事発注の遅れもあり、同31.3%減と3カ月連続で大きく落ち込んだ。函館市内の設備投資は店舗の新設や保育園などの着工があり、棟数、床面積ともに急増。住宅投資は持ち家が同19・0%減と不振が続く一方、マンションなど大口案件の着工で分譲や貸家が大幅に増え、全体では同2.3倍と前年を上回った。
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