3月の日銀短観 道南の景況感横ばい
update 2010/4/2 12:29
日銀函館支店(市川信幸支店長)が1日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、渡島・桧山管内の企業の景況感を示す業況判断指数(DI、「良い」とする割合から「悪い」とする割合を引いた指数)は、全産業でマイナス19と、12月の前回調査から横ばいだった。全国の回復傾向に比べて道南の企業心理には依然として慎重な見方が残っている。
産業別では、製造業が前回と同じマイナス6。このうち機械が前回より21ポイント改善のプラス11と急伸した一方、企業数のウエートが大きい食料品は前回より9ポイント悪化のマイナス27だった。
非製造業はマイナス24と前回から1ポイント低下。中でも小売が40ポイント改善のマイナス20、宿泊・飲食サービスが26ポイント改善のマイナス37と大幅に回復し、消費関連に明るさも見られた。ただ、建設が18ポイント悪化のマイナス12と3期ぶりに悪化に転じ、全体の景況感を押し下げた。
企業の設備投資額では、2009年度の実績見込みが全産業で前年度比46.3%と低水準だが、修正率では28.9%の大幅改善。10年度の計画でも前年度比2.8%プラスの推移を見込んでいて、改善傾向もうかがえた。
雇用の過剰感を示す雇用人員判断DIは全産業でプラス4と、前回より3ポイント過剰感が増した。雇用者数も全産業で前年比3.0%増。先行きも4ポイント上昇のプラス8と、全国水準より過剰感が強まっている。
3カ月後の景気予測を示す先行きDIは、全産業で今回より3ポイント悪化のマイナス22。製造業はマイナス10、非製造業はマイナス28と悪化を見込んでいる。ただ、「良い」に比べて「悪い」と答えた企業の縮小幅が小さく、同支店は「悪化というよりは、先行きの不透明感から企業が自信を失っている」とみている。 調査は2月中旬から3月末まで道南の104社(製造業31社、非製造業73社)を対象に実施。今回から対象企業の一部を見直した。
提供 - 函館新聞社
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