高校無償化 道南でも賛否両論
update 2010/4/1 14:23
31日の参院本会議で成立した高校授業料無償化法について、道南の教育関係者や高校進学を控える子を持つ保護者からはさまざまな声が上がった。
「高校が準義務教育の時代、無償化の方向は大変喜ばしい」というのは市立函館高校の日向稔校長。「授業料が払えない家庭にとって、授業料分の負担が減るのは良いこと」と述べた。
函館市内の中学校校長も法案に賛成だ。実際、私立高校を目指す生徒が授業料や入学金を理由に定時制に進路変更したケースがあることを明かし、「函館では経済的に大変な家庭がたくさんあり、進路指導でも授業料は話題に上る。そうした厳しい状況にある子どもにとって、何らかの形で行く末が保障されるのは助かる」と評価する。
一方、私立高校の関係者は懸念の声を上げる。函館大妻高校の池田延己校長は「私立にとっては厳しい結果。不景気で公立に生徒が流れる中、授業料以外に納入金があるのに『無償化』の言葉だけが先行し、公立は全額無料の印象ができてしまった」と話し、「私学にも進学支援制度がある。実践的な応用能力が身に付き、資格が取得できるなど公立との違い、特色を打ち出していきたい」と力を込める。
保護者の間でも意見はさまざまだ。4月から中学1年になる長女を持つ七飯町の男性(48)は「進学率がかなり高い中、中学の延長線として高校はあり、学校に掛かる負担が安くなるのは親として賛成」という半面、「国の財政が大丈夫かどうかは心配」と話す。来春高校受験を控える長女のいる函館の男性(40)は「授業料がタダだと高校に子どもを入れる親の責任感が薄らぐ気がする。税金が使われ、結局自分たちに負担が掛かるのではないか」と懸念する。
提供 - 函館新聞社
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