観測船「高風丸」民間に売却決定 巡視船で「第二の人生」
update 2010/4/1 14:23
3月末で廃止される函館海洋気象台(函館市美原3)の海洋気象観測船「高風(こうふう)丸」(487トン)が31日、福岡県北九州市の鉄鋼業者に売却されることが正式に決まった。今後は運搬船などを監視する巡視船として利用される予定で、函館で船体整備などを経て4月下旬にも引き渡される。
高風丸は1949年10月に同気象台に配備された「夕汐丸」が前身。63年3月に初代高風丸が就役し、現在2代目に当たる高風丸は88年に導入された。全国に5隻ある気象庁の観測船の一つで、衛星技術の向上や観測体制の見直しの一環で、年度内に廃止することが決まっていた。
競争入札の結果、全国の民間企業6社から入札があり、落札したのは北九州市で船舶解体や鉄スクラップなどを手掛ける鉄鋼処理産業(宜本和久社長)。売却額は6310万5000円(消費税込み)。同社は「出入港する船が安全航行できるよう湾内の警戒や巡視に活用したい」としている。
函館海洋気象台は「売却先が見つかり、ほっとしている。船とともに大勢の乗組員が東京に転勤してしまうのがさみしい」とし、31日付で定年退職の辞令交付を受けた加村正巳船長は「きょうは長年の労をねぎらい、特別な思いでタラップを降りた。第二の人生も活躍してほしい」とエールを送った。
31日は高風丸の船内で同気象台と売却先の関係者が引き渡し書の調印式を行った。高風丸は4月中旬ごろまで、函館で船体整備に入り、5月の大型連休明けにも北九州沖で本格稼働する予定。
提供 - 函館新聞社
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