中島廉売被災の奥野商店 仮店舗で営業再開

update 2010/3/30 16:42

 16日に中島廉売(函館市中島町)で発生した火災で被災した奥野商店(同町22)が、週末の27、28両日、焼け残った商品の販売を同店舗前で行った。消火の際、水や煙を浴びた砂糖や洗剤などの商品を定価の3分の1から半額で販売し、売れ行きは好調だった。29日からは新たに近くの空き店舗を借り、残りの商品を販売している。同店の奥野隆宏さん(44)は「多くの常連さんに訪れてもらい、みなさんの善意に感謝している」と喜んでいる。

 中島廉売で45年にわたり食品全般を取扱い、商いを続けてきた同商店。カップ酒や缶コーヒー、砂糖や缶詰などの商品は、煙にまかれたり水をかぶるなどして通常では販売できない状態だが、長い付き合いあるなじみの客が次々と購入していくなど「想像以上の売れ行き」(奥野さん)という。

 29日からは、同商店の向いにある空き店舗を借りて、本格的な販売に切り替えたところ、午後1時の開店と同時に列を作って待っていた客が店内へ。両手いっぱいに商品を購入する姿も目立った。店を訪れた宮城富雄さん(75)は「古くからのなじみの店。早く元気になってほしい」、矢口ヨシさん(72)は「25年来の付き合い。これからも応援していきたい」と笑顔で話していた。

 同商店は、今後も在庫商品を順次店頭に並べるという。仮店舗の営業時間は午後1時から約1時間ほどで、約1カ月間営業を行う予定(日曜日定休)。奥野さんは「被害が甚大だったので再開の見通しは立っていない」としながら「今は中島廉売のきずなの強さをありがたく感じる。できればこの場所で営業を続けたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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