「水道料金の改定検討を」 函館市の包括外部監査

update 2010/3/29 09:16

 函館市の包括外部監査人、北川勝弘税理士はこのほど、2009年度の包括外部監査報告書をまとめた。本年度の監査テーマは水道局所管の水道、下水道、温泉の各事業。このうち水道事業では旧4町村地域で実施している簡易水道で毎年1億円以上の赤字を出していることから、北川監査人は「何らかの財政的支援が必要で、水道料金の改定も検討する時期に来ている」と指摘している。

 公営企業として水道局は独立採算を原則とした事業経営が求められることから、テーマに選定。08年度を対象に、経営状況や地方公営企業法に基づく会計処理などを監査した。

 水道事業は2006年度以降赤字が続き、中でも簡易水道事業だけで毎年1億円を超す大幅な赤字を出している。同監査人は「簡易水道の赤字を全体で賄い切れておらず、人口増も見込めない状況にあり飛躍的な収入増は期待できない」と指摘。今年4月から家庭用以外の水道料金を旧市域に統一するが、「これによる費用の削減、増収は1500万円程度と試算され、現在の状況が続けば料金改定を行わなければならなくなる」としている。

 温泉事業では市営谷地頭温泉に関し、「水道サービス協会に外部委託をしているが、限界に達した感がある」とした上で、民間への売却を検討するよう求めた。

 また、同協会が水道水をペットボトルで販売している点について、同局が原料となる水を毎年無償で同協会に提供していることを「別法人であり、事業を移譲した以上は売り上げの計上漏れ」として、同協会に請求するよう指摘している。

提供 - 函館新聞社




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