熟年・小梅さん(江差)、少年・植田さん(大阪)が優勝…江差追分全国大会
update 2009/9/22 13:55
【江差】20日に閉幕した第47回記念江差追分全国大会。65歳以上の熟年全国大会は、江差町で高齢者の見守り活動に取り組む主婦、小梅洋子さん(67)=声友会=が優勝。ベテランらしい“いぶし銀”の追分節が光った。中学生以下の少年全国大会で優勝した、大阪府八尾市の植田玲奈さん(15)は、澄み切った歌声が観客にさわやかな感動を与えた。2人に優勝の喜びを聞いた。
小梅さんは2005年、愛宕町商店街で夫と経営していた酒店の店先で「かあちゃん食堂たまりば」をオープンさせた。水曜日になると心尽くしの食事を楽しみにする高齢者の憩いの場になる。お年寄りの元気な姿を見守る小梅さんは「よそ行きに着替えて出掛けるだけで、毎日の生活に張り合いが出るよ」と目を細める。酒店は100年近い歴史に幕を下ろしたが「母ちゃん食堂」の活動は続く。誰にでも面倒見の良い小梅さんは、江差を代表する“肝っ玉母さん”として慕われている。
江差追分を始めておよそ35年―。かつては商売や子育てに追われ、じっくり追分に向き合うことが難しかった。寸暇を惜しんで練習を重ね、一般大会で入賞を重ねた。一昨年からは熟年大会に舞台を移した。「昔の自分の声よりも今の声が好き。追分の雰囲気に近付いてきたと思うの。元気が続く限り歌いたいね」
酸いも甘いもかみ分けた味わい深い追分は、審査員や観客をうならせた。「若い子だけじゃなく、熟年でもこんなに元気に歌えるんだぞというパワーを見てほしかった。優勝は目的じゃない。自分のために楽しんで歌うことでとっても元気になるの」と、飛びっ切りの笑顔を見せた。
=◇=
少年全国大会の出場年齢は15歳まで。06年は4位、昨年は8位入賞を果たした植田さんは、少年大会最後の舞台を優勝で飾った。「少年大会は最後だから頑張りました。緊張して力が入りすぎて…」とほおを赤らめた。深紅の優勝旗を左手に抱え、右手を腹に当てる基本姿勢を守り、大人顔負けの張りのある歌声を披露した植田さんが、江差追分を始めたのは小学4年生。全国各地の民謡に親しみ、学校ではバドミントン部でも活躍している元気な女の子だ。
来年からは、全国の地区予選を勝ち抜いた、若手からベテランがしのぎを削る一般大会が活躍の舞台だ。植田さんら若手のホープから、勢いがある30代、脂が乗り始める40代、追分らしい哀愁がにじみ出る50代―が横一線に並び“追分日本一”を目指す。「スポーツも民謡も頑張りたい。地区予選を勝ち抜いて来年から全国大会に出場できるよう頑張ります」。優勝旗を握り締め、真っすぐな瞳を輝かせながら誓った。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。