高橋病院が2年連続で道IT経営貢献賞を受賞

update 2010/3/20 11:06

 函館市元町の高橋病院(高橋肇理事長)が、優れた情報技術(IT)経営を実践している中小企業などをたたえる「北海道IT経営貢献賞」(北海道経済産業局長表彰)を2年連続で受賞した。テレビ、インターネット、診療情報閲覧などの多様な機能を備えた「ベッドサイドシステム」が、患者や家族のニーズに対応した質の高いサービスを提供しているとして評価された。

 同病院は2003年から電子カルテシステムを導入。08年4月から本格稼動した地域医療連携ネットワークシステム「道南MedIka(メディカ)」の構築に尽力し、昨年は医療分野で初めて同賞を受賞。経済産業省の「IT経営実践認定組織」にも認定されている。本年度の北海道IT経営貢献賞は9社で、2年連続の受賞は同病院が初めて。

 ベッドサイドシステムは、06年2月から始まり、現在は179床のうち119床で導入。入院患者のベッド横に設置したタッチパネル式モニターで、病院案内や、患者の検査値やリハビリテーション計画などを知らせる診療情報、インターネットなどの娯楽系コンテンツを閲覧できる。ITになじみがない患者への説明役を担う同病院顧客サポートセンター「ひまわり」、料理や落語など趣味、娯楽の情報を提供する専用コンテンツ「げんき化計画」も備える。

 また「転倒・転落防止システム」では、特に注意が必要な項目をタッチパネルで入力すると、電子カルテと連動し、患者の体の状態に合わせた注意喚起ビデオが自動的に流れる。ビデオは70パターンあり、職員が製作、出演。ベッドからの起き上がり方、車いすや排せつ時の介助方法などを映像で分かりやすく教え、視覚的に患者が理解しやすくした。ほかにもゲーム感覚で1人でできるリハビリソフト、患者の声を聞くアンケートシステムなども入っている。

 高橋院長は「ベッドサイドシステムでは患者の視点でサービスを追及し、賞をいただいた。ITをITだと意識させず、1日の大半を過ごすベッドでも楽しくリハビリができれば前向きに利用してもらえるので、さらに充実させたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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