中古車販売 苦戦が続く

update 2010/3/17 13:30

 函館市内の中古車販売が、厳しい状況となっている。景気悪化による市場の冷え込み、エコカー減税による新車購入、若者の車離れに加え、インターネットの普及で、より安く状態の良い車を買おうとする買い手の増加などが、中古車販売の“ブレーキ”となっている。春は需要期だが、「昨年と比べると厳しい」という見方が強い。

 道南地区をエリアにする函館地方中古自動車販売事業協同組合(矢代善彦理事長)では、「札幌の自動車情報紙を発行している陸運情報社によると、函館は10年以上経過した車を所有している割合が全国的に見ても高いという。買い渋りの傾向も強く、見方はシビア」と話す。一昨年のリーマンショックや円高で海外輸出も先細り。

 行き場を失った中古車もある。主要な輸出先であったロシアが、右ハンドルの禁止、増税を課したことで、「輸出売上げの80%以上を占めていた」(関係者)得意先がなくなったことも大きい。

 加えて政府のエコカー減税と補助金の存在が中古車業界を悩ませている。一定の基準を満たした新車の自動車取得税や重量税を減税し、13年以上経過した車は25万円で下取りするなどの優遇措置を実施。従来13年以上経過しても市場に出ていた上質の車が販売できなくなった。

 矢代理事長は「函館で売れない車を札幌の業者が購入し、向こうで販売していた。結果として函館の市場には売れない車が多く残り、出回る車も少なくなる」と指摘。ある中古車販売店も「若い人の多くが新車の軽自動車を買う」とため息をつく。

 同組合は対応策を打ち出している。3年前から札幌地方中古自動車販売事業協同組合と提携。衛星中継を用い、函館でオークションを開始した。買い手は、道内にとどまらず京都府など日本全国へと広がっている。矢代理事長は「買い手がインターネットを使うなら、こちらもそれなりの対応をしなくては。ゆくゆくはスケールの大きな展示会を開きたい」と今後の展望を語った。

提供 - 函館新聞社




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