進行子宮頚がんの治療体制整う 函病で新機器導入

update 2010/3/4 13:14

 市立函館病院(吉川修身院長)は、進行した子宮頚(けい)がんの標準的な治療に必要な遠隔操作式小線源照射装置(RAL=ラルス)を新たに導入し、使用可能な体制を整えた。同様の機器が整備されているのは道南では同院のみ。これまで札幌の病院に頼っていた治療を函館でできるようになる。同院産婦人科科長の山下剛医師は「患者の経済的・心理的負担は飛躍的に軽くなる」としている。

 進行した子宮頚がんの治療では通常、約2カ月半かけ定期的に、抗がん剤と外部からの放射線照射に加え、ちつ内から直接、放射線照射を行う。ラルスはちつ内からの照射に使用。遠隔操作で適切な場所に必要な時間だけ、線源を移動させることができる。同院によると、道内ではこれまで札幌と旭川市、釧路市の病院にのみあった。

 同院はがん治療の拠点病院。ラルスは2006年まであったが、機器の老朽化により使用不能に。ことし4月以降は5人の患者にラルスを使った治療が必要となったが、すべて他院に頼っていた。

 自宅近くで治療できなかったことについて山下医師は、「これまでは金銭、時間の面で膨大なデメリットがあった」とし、「今後は函病1カ所で治療を完結できる」と患者の負担減を強調する。2月26日には早くも、治療が必要な患者1人に使用した。

 導入費用は約1億3000万円。全額、政府の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用した。導入により医療機関としては、婦人科腫瘍(しゅよう)専門医の資格を取得できる施設となる。

提供 - 函館新聞社




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