85歳後藤さん卒業おめでとう 函館中部高定時制最高齢者

update 2010/3/3 14:28

 函館市に住む後藤吉子さん(85)が1日、函館中部高校の定時制を卒業した。結婚、子育て、仕事を経てから再び入学し、学び直した4年間を振り返り、「胸がいっぱい」と感激した様子で卒業証書を受け取った。最高齢の卒業生に、同高は「特別表彰」を贈った。

 後藤さんは1924年、函館で生まれ、戦時中に青春期を過ごした。早くに父を亡くし、体の弱い母を気遣って高校進学を断念。結婚し、3子をもうけて育て上げ、40代後半から介護職に就いて家計を支えた。夫を亡くして十年余りたったある日、高齢者でも受け入れる同高定時を知り、二女の勧めもあって入学を決意。2006年、一度はあきらめた勉学への一歩を踏み出した。

 4年間の学生生活を「頭を抱える毎日」だったというが、「もう中途半端ではなく、何とか1つのものを達成しよう」との意気込みで通い続けた。教員や若いクラスメートの存在にも励まされ、昨年11月の沖縄への修学旅行は「頑張ったご褒美みたいに楽しかった」と振り返る。

 卒業式では46人の同級生と肩を並べて座り、長女の睦子さん(58)に支えられながら登壇。黒田信彦校長から卒業証書をしっかり受け取ると会場から大きな拍手がわいた。その後、黒田校長が檀から降りて特別表彰の賞状を手渡し、式辞で「ご高齢でも意欲を持ち、生涯学習の見本として立派だった」と頑張りをたたえた。

 式後、お祝いに駆け付けた子どもたちに囲まれ、後藤さんは「感無量」と涙を浮かべていた。

提供 - 函館新聞社




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