函館市の中期財政試算、5年間で財源不足249億円
update 2010/3/2 10:06
函館市は1日、2010年度から5カ年の中期財政試算を公表した。一般会計は5年間で249億7800万円の財源不足が生じるが、行財政改革の推進と市債(借金)の発行、基金(貯金)の活用で252億800万円を生み出し、収支を2億3000万円の黒字とする計画。財源調整用の基金は本年度当初予算の段階で1億6400万円とほぼ底をついたため、11年度は使途が限られる特定目的基金から借り入れるとしており、財政運営は今後も厳しい状況が続きそうだ。
中期財政試算は例年、11月下旬から12月中旬にかけて公表しているが、昨夏の政権交代に伴い「国の地方財政計画の制度設計が一変する可能性があった」(市財政課)ため、この時期に策定。新年度の一般会計予算計上額をもとに、いずれも現行制度に基づいて試算した。
歳入の柱となる普通交付税は新年度に338億4100万円を計上したことから、11年度以降の4年間を同額で見積もった。市税は景気低迷と人口減から増加の要因はなく、11年度以降、毎年1%減を想定。生活保護など扶助費の伸びと合わせると、毎年度5億円程度の減収となる。
普通建設事業費は、新年度に市民体育館の増改築や国際水産・海洋総合研究センターの建設に着手することを考慮し、11年度に101億円を見込んだが、12年度以降は圧縮する。
財源不足は11年度、扶助費増などに加え、いわゆる「団塊世代」の職員退職がピークを迎えることから48億円と算定。12年度以降は退職者数が80人台に減ると想定、加えて起債償還額の減などで圧縮され、14年度には30億円を割る見通し。退職者が減る分、事務事業の見直しや、各部局に対して予算要求基準を決めておく「シーリング」といった行財政改革を進め、5年間で132億円を生み出す。
さらに退職手当債と行政改革推進債の市債を105億円発行し、基金の活用は22億円。11年度は特定目的基金のうち、公共用地の先行投資に充てる土地開発基金から11億円を借り入れ、その他の同基金からの借り入れは12年度に2億円を予定。15年度以降は基金に頼らない財政運営を目指す。
提供 - 函館新聞社
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