創立150周年の歴史一冊に…函館カトリック元町教会 5年かけ「記念誌」完成

update 2009/9/19 11:36

 今年、創立150周年を迎えた函館カトリック元町教会(元町15、ジェル・ロー神父)はこのほど、記念誌「栄光百五十年」を発行した。信者5人による記念誌編集委員会が約5年の歳月をかけて完成させた。同委員は「歴代の神父、信者たちが貴重な資料を残してくれたおかげ。この一冊から教会がさらに発展することを願う」と完成を喜んでいる。

 同教会は函館が開港した1859(安政6)年11月、パリ外国宣教教会のメルメ・カション神父が称名寺(旧函館弥生小校舎付近)境内の建物の提供を受け、小聖堂としてたのが始まり。現在、元町にあるゴシック式、鉄筋コンクリートの建物は1921(大正10)年の大火に見舞われた後、23(同12)年に補強修理し建てられた。

 節目を迎え、記念式典委員会などが立ち上がり、記念誌編集は2004年12月から始まった。長い歴史を象徴する重厚な表紙には、同教会信者から公募したタイトルが書かれている。「神に栄光」から付けられたという。始めに150周年記念慶祝歌を紹介。函館山のふもとにある荘厳な聖堂で響く祈りの声が150年続くことを感じさせている。

 内容はおおよそ5つに区分され、歴代司祭の紹介から聖堂内外の抄録、1946年から発行されている教会広報誌「鐘声」からみる教会の軌跡、46年に当時のフィリップ・グロード神父が創設した劇団活動や思い出話で振り返る教会の諸相、そして思い出の写真集と年表と続く。ほかの教会の100年記念誌などを参考にし、函館市史編さんにも尽力した故久保田恭平さんが残した大量の資料のほか、100を超える文書、書籍を参考にした。編集委員は「命がけで作って仕上げた感動はあるが、教会はさらに発展するので、これで良かったという締めくくりの言葉は使いたくない」と話す。

 A4判、203ページ。500部作成し、信者やカトリックの学校など関係者に配布。市立函館博物館、函館市中央図書館に寄贈を予定している。同教会では21日午前11から記念ミサ、午後1時から30分間、マリア会館の展示見学を行う。

提供 - 函館新聞社




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