五稜郭病院 単孔式腹腔鏡手術が随時可能
update 2010/2/28 15:59
函館五稜郭病院(老松寛院長)は、重症化していない胆石症などへの胆のう摘出や急性虫垂炎への虫垂切除の手術で、へそ1カ所の切開で行う「単孔(たんこう)式腹腔鏡手術」を取り入れている。随時この手術が受けられる体制が整い、外科医長の舩渡治医師(41)は「傷がほとんど目立たない。術後は3日程度で退院でき、痛みや組織の癒着が少なく、回復も早い」とメリットを挙げる。
一般的に腹腔鏡手術は全身麻酔で体の4、5カ所を5―12ミリほど切開し、内視鏡(カメラ)や鉗子(かんし)を入れ、モニターを見ながら行う。一方、単孔式腹腔鏡手術はへその真ん中1カ所を2a切開し、そこからすべての器具を入れて行う最新の手法だ。
一般的な腹腔鏡手術と同様に全身麻酔下での手術となる。へそのくぼみを引き出して反転させてから切開して皮下をはがし、器具を挿入するための5―12ミリの穴を皮膚の下に3、4カ所開けて行う。 皮膚表面の傷跡は最初に切開した1カ所のみで、へそのくぼみにあるため、ほとんど目立たない。ただ重症化していると適さない場合があり、安全面から手術中でもすぐに一般の腹腔鏡手術へ移行することもできる。
同病院によると、単孔式は日本で昨年夏ごろから本格的に行われるようになり、胆のう摘出や虫垂切除で随時、実施しているのは道南で同病院だけという。同病院では内視鏡手術の専門医の舩渡医師が昨年9月から開始した。実績は今年2月までに胆石、胆のうポリープ23例(女性19、男性4)、虫垂炎12例(女性9、男性3)。舩渡医師は「整容性へのメリットが一番だが、患者さんの満足度が非常に高い」と話している。
提供 - 函館新聞社
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