函館空襲で沈没 駆逐艦「橘」紹介…函水高「デジタル紙芝居」

update 2009/9/19 11:35

 【北斗】函館水産高校の1年生2人が、函館空襲で沈没した駆逐艦「橘」について紹介するデジタル紙芝居「駆逐艦『橘』を救えッ」の発表会を17日夜、茂辺地住民センターで開いた。地域住民ら約30人が、若者2人の発表に目と耳を傾けた。

 「橘」は戦時中の1945年1月に横須賀で作られ、同年6月末から函館で津軽海峡の警備行動などを行っていたが、同年7月14日の空襲で沈没。死者は少なくとも135人に上るという。

 同校の我妻雅夫教諭が中心となって、橘の存在を知ってもらおうと7月に函館で報告会を実施。今回は、投げ出された乗組員の救助に茂辺地の漁師が当たったことから、地元住民にその事実を伝えようと発表会を企画した。

 同校水産食品科1年の若松豊君(16)米光凌君(15)の2人が、戦闘の様子や漁師たちの救出について触れた自作の動画や、「橘」関係者の取材結果、当時の新聞記事などを紹介した。集まった住民は食い入るように映像を見つめ、中には目頭を押さえる人もいた。

 市内茂辺地の村上ツヤさん(71)は「子どものころ、大きな船から火がぼうぼうと燃え上がるのを見た記憶を思い出した。茂辺地の人たちが協力していたことを知らせてくれてありがたい」と神妙な面持ち。

 福島町で攻撃を受けた仲間の駆逐艦「柳」に関する記念誌やビデオを制作した金谷奉宏さん(66)も「パソコンを駆使して、よく頑張った。自分も高校生と一緒に次の作品づくりに励みたい」と、2人の頑張りをたたえていた。

提供 - 函館新聞社




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