稜北高3年池田ひとみさん、“生きた証し”に「特別校長賞」

update 2010/2/25 16:28

 函館稜北高3年の池田ひとみさんが昨年5月15日、がんのため死去した。18歳だった。骨肉腫で右足を失っても決してめげず、闘病しながら学業や部活、修学旅行など学校生活を明るく、前向きに過ごした。彼女の“生きた証し”を残そうと同高は3月1日の卒業式に両親を招き、池田さんへの「特別校長賞」を手渡す。

 池田さんが発病したのは2006年4月の入学直後。体育の時間に走れないほど関節の痛みを訴え、骨肉腫と判明し、6月には入院のため休学した。人工関節を入れリハビリし、翌07年に再び1年生として通い始めたが、9月に転移が分かり入退院を繰り返した。08年6月には右足を切断。2年生修了間近の09年2月末、さらに転移し闘病生活を続けていたが、5月、函館市内の病院で息を引き取った。

 担任の田中まゆみ教諭(52)が「病気のそぶりは見せず周囲の生徒を明るくさせる子」と話す通り、いつも友達に囲まれていた。「病欠が多い分授業も大変だったと思うが、入院先で勉強するなど努力で補っていた」という。

 退院数日後には登校し、吹奏楽局の練習にも必ず顔を出した。顧問の佐々木幸治さん(59)は「面倒見が良く、仲間のまとめ役だった」と語る。足の切断手術後の08年10月には、野球の新人戦全道大会の応援演奏のため札幌に足を運び、同月末には義足をはいて修学旅行にも参加した。

 池田さんは入院を機に管理栄養士の夢を抱き、市内の病院でインターンシップも体験。同級生の女子生徒(18)は「人一倍努力し、文句一つ言わない。人の役に立つ行動をするすごい友達」と振り返り、「私も栄養士を目指している。ひとみが果たせなかった夢をかなえたい」と話している。

 同高は葬儀後、両親からの寄付金を活用して図書室に特設コーナーを設置。彼女の愛読書などを並べ、好きだった花にちなみ「ひまわりBOOKS」と名付けた。竹内和男校長は「一生懸命頑張った彼女の足跡を残したい」と話す。

 父の博喜さん(61)は「多くの人の世話になって生きていることを感じた。本人も感謝しながら生きた」とし、母の祥子さん(53)は「皆が認めてくれたことがうれしい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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