函館の音楽の歴史を一冊に メサイア実行委が出版
update 2010/2/24 13:10
函館メサイア教育コンサート実行委員会(松原仁委員長)が昨年から作成を進めてきた、西洋音楽が伝来した明治初期の函館の様子をまとめた冊子「函館開港と音楽」がこのほど完成した。A4判、40ページ。編集作業を主導してきた同実行委音楽監督の声楽家、徳永ふさ子さんは「『近代日本の西洋音楽発祥の地は函館』という定説を、あらためて確信できる内容に仕上がった。貴重な楽譜や絵図も使用しており、目でも楽しめる内容になっているので、多くの人たちに手に取ってもらいたい」と話している。
同実行委は、日本で初めて混声合唱が響いた町である函館を広くアピールし、地域文化の活性化につなげようと、2006年から「メサイア」の全曲演奏をはじめとしたさまざまな演奏活動を展開。それと並行し、函館における西洋音楽普及の歴史についての研究も進めてきた。
今回完成した冊子は、函館開港時に黒船などによってもたらされた西洋音楽が、ロシア正教の聖歌などを通じて国内に広まっていく様子を体系的にまとめている。実際に使用されていた当時の楽譜や絵画、写真などがふんだんに使われているのが特徴。洋楽史研究家の故中村理平さんや東京芸術大学楽理科の塚原康子教授の論文なども盛り込まれており、研究資料としての価値も高い。
徳永さんは「函館が持っている素晴らしい音楽文化の歴史を、この冊子を通じて多くの市民に感じ取ってほしい。学校現場での教材としても活用してもらえれば」と期待している。
28日午後2時半から函館市芸術ホールギャラリーで、同冊子の出版記念講演会が開かれる。講師には市立博物館の保科智治さんと函館ハリストス正教会の山崎瞳さんを迎え、函館メサイア合唱団とゲザングリーベによる、開港当時の様子を再現した「ミンストレルショー」などが演奏される。受講料は1000円で、同冊子が資料として配布される。問い合わせは同実行委TEL080・5583・2634。
提供 - 函館新聞社
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