環境にやさしい農業生産者資格「エコファーマー」 函館市内で取得者26人に
update 2009/9/4 14:02
化学肥料や農薬を削減し、環境保全型の農業を進める生産者資格「エコファーマー」の取得者が函館で増えている。昨年までは1人もいなかったが、新函館農協や渡島農業改良普及センターの指導で8月末現在で26人が取得した。食の安全や環境に対する消費者意識の高まりを背景に全道、全国的に増加傾向にあるが、「手間がかかる」などの指摘もあり、今後の普及が課題だ。
「エコファーマー」の認定制度は、持続農業法に基づき2000年からスタートした。生産者は堆肥(たいひ)などを利用した土づくりと化学肥料・農薬の低減を一体的に行う5カ年の生産計画を作成し、都道府県が認定する。道では72の作物を対象に認定し、作付面積の5割以上で計画に基づいた農法を実施することなどが条件となっている。
函館市では、5月11日に第1号の認定者を出したのを皮切りに6月30日には2人、8月6日には新函館農協の施設を利用するダイコン生産者を中心に23人が認定を受けた。
渡島管内全体では69人となり、函館市の取得者は七飯町の32人に次ぐ数となった。道内全体では約6100人に上る。農水省が近年、エコファーマー認定の促進に力を入れており、道や市も認定を目指す生産者を後押しする。市農林課は「市のホームページや農産物直売所マップで紹介していくなどして消費者へのPRを進めたい」とする。
同普及センターは「エコファーマーの取得で農産物の付加価値が高まり、消費者の安全安心に対する信用につながる。農薬使用が減るので生産コストも抑えられ、自然環境にもやさしい」と、メリットを強調する。
ダイコンや枝豆、ニンジンなどで認定を受けた上湯川町の八戸久安さん(66)は「消費者の安全安心志向が高まっている中で環境保全型の農業をやっていかないと生き残れないのでは」と話す。
一方で「手間がかかる」「生産性が落ちるのでは」などの指摘もあり、市内の取得者はまだまだ少ない。市農林課は「関係機関と協力しながら生産者に働きかけていきたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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