「海炭市叙景」クランクイン
update 2010/2/17 15:23
函館出身の作家、故佐藤泰志の原作を基にした映画「海炭市叙景」が16日、函館市内でクランクインした。初日は小林薫さん、南果歩さんらが撮影に臨んだ。構想から1年余りがたち、“函館発”の市民映画制作がいよいよ本格的に始まった。
作品は函館がモデルの地方都市「海炭市」に生きる市井の人々を描く。市民有志の製作実行委員会(菅原和博代表)が企画し、監督は帯広出身の熊切和嘉さん。加瀬亮さん、谷村美月さんのほか、地元住民も多く出演し、3月中旬まで撮影が行われる。
初日は花園町の団地の一室で、小林さんと南さん演じる共働きの夫婦が会話するシーンなどを撮影。熊切監督の「用意、スタート!」の声でフィルムが回ると、現場は一気に緊張感に包まれていた。
撮影後、インタビューに応じた南さんは「前日にリハもあり、空気感を大事にする監督なのでスムーズに物語に入っていけた」と笑顔で話した。出演の決め手は「熊切監督と佐藤泰志」とし、以前読んだという原作を再読した感想を「寒くて暗い話だが人間が生きていく姿に今読んでも共鳴できる。埋もれた名作が映画化で復活すれば」と語った。
函館ロケはデビュー作の「伽椰子のために」(1984年)以来で「空港も駅もきれいになったが路面電車など風情はそのまま」と話した。実行委は現在も、募金やロケで使う物資を募っている。問い合わせは事務局nisibori@ms7.ncv.ne.jp
本紙では今後、「ロケ日誌」として撮影現場の様子と実行委員を不定期で紹介する。
提供 - 函館新聞社
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