「そば辰・ゆがの会」 江差産そば粉、商品開発へ熱く 

update 2010/2/14 12:40

【江差】江差町のそば愛好家が結成した「そば辰・ゆがの会」(西海谷望会長)では、江差産そば粉のブランド化や商品開発を目標に掲げ、長い歴史を誇る江差を「北海道そば発祥の地」として売り出すことも視野に入れながら、日々熱い“そば談義”を交わしている。

 ゆがの会は2006年、新しい地元特産品の開発を目標に、そば好きの企業経営者、ソバ生産者、食品業者ら20人で組織。会員の出資で製粉機を購入し、ソバ栽培からそば粉の生産、そばの試食会、そば店への販売PRを進めている。会員の小笠原隆さんが経営する五勝手屋本舗は、町内産そば粉を使ったカステラを商品化した。

 「そば辰」の“屋号”は、町内の鰔川地区でソバ栽培に取り組む農家・澤口辰雄さんの名前にちなんだ。農村地帯の鰔川は「ゆがの里」の愛称で呼ばれた地域。古くからソバの生産が盛んだったが、輸入物に押されて地域の生産者は減少。澤口さんは休耕田などを生かしながら少しずつ生産量を増やしている。

 このほど町内のレストランで開かれた総会では、一般消費者をターゲットに1`程度に小分けしたそば粉の販売、そば好きの町民を巻き込んだ試食会やそば打ち教室などのアイデアが次々と出された。また、函館市でそば粉専門の製粉所を営む山欣司さんを新会員に迎え、専門的なアドバイスをはじめとする活動への協力を取り付けた。席上では、澤口さんが昨秋に収穫し、山さんが粉をひいた江差産の新そばを試食。会場では「コシがあってとてもおいしい」と笑顔があふれた。

 このほか、上ノ国町内の、15世紀末に築かれた山城・勝山館跡(国指定史跡)でソバの実が発掘されていることから「北海道のそば発祥の地としてアピールできないか」とするユニークな意見も。西海谷会長は「桧山には道内で最も早くそばが根付いた可能性がある。地域の歴史と食文化をタイアップすることで江差産そばの魅力も高まるはず」と期待を寄せる。

提供 - 函館新聞社




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