16日から函館初の裁判員裁判、市民感覚どう反映
update 2010/2/13 12:08
函館地裁管内(渡島、桧山と後志管内の一部21市町村)初の裁判員裁判が16日から4日間の日程で、同地裁で開かれる。管内の有権者約41万人から選ばれた裁判員6人がプロの裁判官3人とともに審理に参加し、公判で示される証拠や被告の供述などを基に、市民感覚を生かした判決を検討する。
審理の対象となるのは、2008年9月と09年5、6月に函館市内の路上などで、10―20歳代の女性3人に対し、性的暴行を加えてけがをさせたとして、強姦致傷や住居侵入、わいせつ目的略取の罪で起訴された調理師見習いの男(37)の事件。
これまでに、裁判の争点や採用する証拠などを検討する「公判前整理手続き」が2回開かれ、起訴事実に争いがないことが確認されている。公判では、犯行の計画性や情状面などを裁判員と裁判官が検討し、「量刑」(被告が有罪か無罪か、有罪の場合には、どのような刑がふさわしいか)を決めることになる。
同地裁は昨年12月に09年分の候補者名簿1500人から65人、今年1月に10年分の名簿1800人から10人を抽出し、計75人に呼び出し状を送付している。事前の辞退が認められた候補者以外は、16日午前9時15分から同地裁で行われる裁判員選任手続きに参加。裁判長との面談で、事件関係者ではないか、裁判員になれない事情の有無などを質問され、最終的にくじで裁判員6人と補充裁判員3人が決まる。
初公判は、同日午後1時半に開廷。18日午前まで、3件の事件について、それぞれ証拠調べや被告人質問を行う。審理を行う2号法廷には、大型モニターや各裁判員の前には小型モニターが設置され、証拠や犯行現場の見取り図などが表示される。性犯罪事件を取り扱うため、被害者の氏名を匿名としたり、被害者は出廷せずに意見陳述を書面で行うなど、プライバシーに一定の配慮がなされる。
公判3日目の18日午前には、検察官が相当であると考える量刑について意見を述べる「論告求刑」、弁護側による「最終弁論」を経て、被告本人が「最終陳述」を行い、結審する。裁判員は同日午後から19日午前までの予定で非公開の「評議」に入り、裁判官と議論して量刑を決める。判決言い渡しは19日午後を予定している。
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函館地裁は、裁判員裁判の傍聴希望者を対象に、整理券を発行する。一般傍聴席は26席で、予定数を上回った場合は抽選となる。整理券交付は16日は午前10時―同11時、17、18両日は午前8時15分―午前9時15分、19日は午後1時10分―午後2時10分。庁舎1階ロビーに集合する。
提供 - 函館新聞社
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