生活保護企画で読者から反響 立場や環境で意見分かれる

update 2010/2/12 09:50

 函館新聞が連載(1月28日―2月1日)した生活保護の現状と課題について考える企画「15%の負担」に対し、読者からさまざまな反応や感想が寄せられた。意見からは、納税して受給者を支える側と支えられる側の見解の違いや、制度そのものへの理解不足からくる誤解がある現状などが浮き彫りとなった。

 納税者側からは、受給者の働く姿勢についての疑問を持つ声が寄せられた。70代の男性は「働く場所は選ばなければたくさんある」と、きつい仕事や汚い仕事を外国人などに任せている現状を指摘。「楽な仕事がないからといって生活保護を受けるのは甘やかしではないか」と厳しく批判する。受給者を雇用したことがある自営業の60代男性(函館市)は「その人だけかもしれないが、無断欠勤や遅刻が日常茶飯事だったので解雇した」と振り返った。

 同じ納税者でも逆に「病気や高齢、子どもが小さいなど、働きたくても簡単に働けない理由はたくさんある」(函館市の60代女性)の声も。「身近にいた受給者の多くはひたむきに頑張っていた。ひとくくりにはしないでほしい」と訴える。

 受給者の30代女性(函館市)は「働きたくても病気で働けない者としては、不正受給と大きく取り上げられると腹立たしい」と不満をあらわにする。対して「身近に不正受給者がいる」という50代男性(同)は、「行政の調査は甘い。税金を食い物にする不正受給は詐欺で、法的に裁くべき」と強い口調で言う。

 認定業務に対する福祉事務所への不満は、多方面から寄せられた。40代の男性は「他都市と比べて高いのは、函館市の認定基準が甘いからではないか」と、受給率が高いことに対する不満をあらわにする。一方の受給者側からは、「役所の職員の態度は横柄で高圧的。思いやりがなく何度も嫌な思いをした」(60代男性)、「病気なのにケースワーカーは働くよう圧力をかけてくる」(北斗市の50代男性)など、福祉行政に携わる職員の微妙な立場をうかがわせる。

 函館市よりも受給率が高い江差町の50代男性は、「江差がこのようなことになっているとは知らなかった。道南全体を意識した雇用対策が必要ではないか」と提言した。

 受給額など、生活保護制度の詳細は意外と知られていない現状もわかった。受給額と自分の給与を比較して大差ないことから「本当なのか」と驚き、確認する声も多数あった。このほか、受給したいと訴える人を目の当たりにした函館市の60代男性は、「自分の生活が大変でこれから受給申請しようという時に、その人は広い部屋に住み2匹の飼い犬の心配をしていた」ことから、生活レベルに対する意識の違いを感じたという。

提供 - 函館新聞社




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