函館市、北ふ頭の整備を国に要望
update 2010/2/10 14:29
函館市は、老朽化が著しい函館港北ふ頭(浅野町)の耐震整備に着手する方針を明らかにした。函館港港湾計画に基づき、2011年度の国直轄港湾整備事業として優先的に進める考え。市は以前から若松地区旅客船ふ頭の整備を国に要望してきたが、高速道路料金割引の影響などで青函航路の需要が高まり、北ふ頭を利用する事業者が船舶の大型化を計画している点などを踏まえ、方針を変更する。
日に開かれた市議会経済建設委員会(佐々木信夫委員長)の委員協議会で、高橋良弘港湾空港部長が明らかにした。
同ふ頭整備の背景には、2005年度から国に行ってきた若松ふ頭の整備要望が許可されない点に加え、国が直轄事業の重点配分に向け、現在103港ある重要港湾の中から「重点港湾」として約40港を絞り込むとする方針がある。市は今年1月に民主党などに対し、同ふ頭の整備とともに、函館港を重点港湾に加えるよう要望している。
北ふ頭は現在、共栄運輸と北日本海運の2社が「青函フェリー」として青森―函館間航路を運航している。だが、フェリー専用の係留施設がなく、岸壁に船を縦付けしていることから横風の影響を受けやすく、海上保安部からはたびたび改善要請を受けているという。
計画では北ふ頭の正面護岸に、L字型の岸壁を新設。水深6.5メートル、総延長190メートルとしてフェリーの大型化に対応するとともに、函館港唯一の耐震岸壁として防災機能強化につなげる。11年度に採択されれば、13年度から一部供用を開始する予定。
青函航路は昨年3月から実施された高速道路の休日割引の影響で、利用する車両数が好調に推移。09年の同港全体での自動車利用は前年比3%増の40万3216台(速報値)、貨物量も同8.1%増の2403万8245トン(同)と増加傾向にある。
青函フェリーも09年の船送車両数が同13%増と好調だが、共栄運輸の兵頭法史社長は「昨夏は満車状態が続き、目当ての便に乗れない車もあった」と話す。
同社は数年後の船舶更新にあたり、需要増に対応するため現行の「はやぶさ」(1777トン、定員80人、搭載車数57台)を大型化し「新はやぶさ」(約3000トン、同200人、同100台)とする計画がある。兵頭社長は「青森―室蘭航路が廃止になったこともあり、青函航路への期待は大きい。需要に応えられるよう大型化に踏み切りたいが、現状の港ではこれ以上の大型化は不可能」と整備を訴えている。
市は今後、北ふ頭整備の進ちょく状況を見極めながら、改めて若松ふ頭の整備も国に要望する。北ふ頭整備の採択可否は年末に、重点港湾選定については夏ごろに明らかになる見込み。
提供 - 函館新聞社
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