七飯で千の風サミット開催

update 2010/2/7 12:00

 【七飯】名曲「千の風になって」にゆかりのある七飯町と新潟市、愛媛県西条市の3市町が曲による町おこしの可能性を探る「千の風サミット」(七飯町など主催)が5日、町大沼国際セミナーハウスで開かれた。3市町の行政、町おこしグループや作曲した新井満さんら16人が会談し、自然環境の保全推進や継続的な交流などを盛り込んだ七飯宣言を採択した。

 新潟市が新井さんの出身地、西条市が曲を歌うテノール歌手、秋川雅史さんの出身地、七飯町が同曲誕生地であることから交流を開始。サミットは昨年2月の新潟市に続き2回目で、七飯町がホストを務めた。 サミットには3市町のほか、新井さんと親交のある、アイヌ文化を伝承する団体、白糠シノッチャの会の高木喜久恵会長と道アイヌ協会阿寒工芸協会の秋辺日出男さんも出席した。

 中宮安一七飯町長が議長を務め、3市町の町おこしグループがそれぞれの活動を紹介。新潟市は歌碑を建てる取り組みを、西条市は秋川さんの好物のシュークリームで「千の風」ブランド創出にそれぞれ取り組んでいることを報告した。七飯町は「千の風」のイメージ作りに大沼公園駅前のメーンストリートや遊歩道の街路樹整備を提起し、函館大沼プリンスホテルが取り組む「千の風ディナー」や「同カクテル」を紹介。千の風プロジェルト実行委員長の渡辺譲治さんは「曲と七飯の食ブランドを結びつけていきたい」と述べた。

 また、高木会長や秋辺さんは自然に対する感謝と畏怖の気持ちを持つアイヌの心を説き、「『千の風になって』は全民族にとって大切な歌」と強調。最後に七飯宣言を採択し、閉会した。宣言には3都市に共通する水の豊かさを示し、水を大切にする趣旨の文言を盛り込んだ。

 来年の次回開催地となる西条市の大越康史副市長は「開催に向けしっかり準備をしていきたい」、新井さんは「このサミットでのアイヌの参加は意義深い。これから実施する取り組みに感銘した」と語っていた。

 7日は午後2時から、町文化センターでサミット開催を記念した合唱祭「千の風フェスティバル」が開かれる。

提供 - 函館新聞社




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