勝山館跡の出土品 重文指定後初の一般公開
update 2010/2/4 18:45
【上ノ国】勝山館跡(国指定史跡)で発掘され、2008年に国の重要文化財に指定された出土品の特別公開が13、14の両日、町総合福祉センターで開かれることが決まった。展示品は和人やアイヌ民族が使用した生活用品や、国内外との交易でもたらされた銅銭や陶磁器類などを中心に300点規模となる。重文指定後の一般公開は今回が初めて。 国外との盛んな交易を裏付けるベトナムや沖縄の銅銭、中国をはじめ国内外で生産された青磁、白磁、染付や、瀬戸焼、美濃焼、越前焼などの陶磁器類を展示。食器類や調理具、下駄やたるなどの生活用具、ノミやタガネといった大工道具、アイヌ民族が用いた骨角器、木製品など、勝山館での生活を物語る遺物を公開する。
重文指定後、遺物は防火管理のため町役場で保管。一般公開はしていない。特別公開は重文指定を記念して町教委が初めて行う。斉藤邦典学芸員は「主要な遺物が一堂に会するまたとない機会。上ノ国には貴重な遺跡や遺物が数多くあることを再認識してもらうことができれば」と話している。公開は午前9時―午後5時。入場無料。
勝山館は、松前氏の祖・武田信廣が15世紀後半に築いた山城。16世紀末まで武田・蛎崎両氏の居館になった。1979年から現在も続く発掘調査では、建物、井戸、空壕(くうごう)などの遺構とともに、陶磁器、金属製品、木製品など約7万点の出土品が出土。08年7月に重文の一括指定を受けたのは、陶磁器・土器313点、ガラス製品17点、木製品129点、漆器10点、石製品46、金属製品338、骨角製品65など合計921点に上る。檜山管内では5番目の重文指定となった。
公開に合わせて、町教委主催の「第11回連続講座―ふるさとの歴史を読み解く」も開講する。初日の13日は、道教委文化財調査グループの田才雅彦主査が「重要文化財の活用と上ノ国のまちづくり」をテーマに講演する。27日の第2回講座では、町内の上國寺本堂(重要文化財)の解体修理を担当している、文化財建造物保存技術協会の小幡長治氏が講師を務める。第3回講座は3月6日。町教委の学芸員が上ノ国市街地遺跡など、町内の遺跡発掘について報告する。講座はいずれも同センターで午後1時半から。入場無料。問い合わせは町教委生涯学習・文化財グループTEL0139-55-2230へ。
提供 - 函館新聞社
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