大間原発に高い関心 原子力シンポに330人
update 2010/2/1 09:55
原子力シンポジウム「21世紀の原子力と環境について考える」(函館市、日本原子力文化振興財団主催)が1月31日、函館市大手町の函館国際ホテルで開かれた。原子力を専門とする大学教授3人の講演や、市民との質疑応答が行われた。約330人の市民が参加し、対岸の青森県大間町で建設が進む大間原子力発電所に関する質問が数多く寄せられ、関心の高さが表れた。
市民に原子力に対する理解を深めてもらい、大間原発に関する市民不安を解消する趣旨で初めて開かれた。東京大学大学院工学系研究科の田中知教授、北大大学院工学研究科の佐藤正知教授と奈良林直教授の3人が講演を行った。
始めに西尾正範函館市長が「市としてこれまで国や事業者に住民説明会を要望してきたが、望む形での開催は困難となった。これまでの時間経過も踏まえ、市の責任で開催することが最良と判断した」と開催までの経緯を説明。講演では佐藤教授が「資源が少なく経済大国の日本では、原子力はエネルギー確保のための現実的選択肢として不可欠」と述べたほか、奈良林教授は大間原発がウランとプルトニウムを混合したMOX燃料を全炉心で使用することについて「ウラン資源の使用量を3分の1に減らすことができ、リサイクルとして効率がいい」などと話した。
コーディネーターの福島敦子氏と3教授との座談会では、一部の専門家が指摘する大間原発周辺の活断層の問題などについて市民からの質問を紹介。奈良林教授は「公開された資料の中では心配ないと聞いている」とし、原発から放出される温排水が海に及ぼす影響には佐藤教授が「温排水の影響は小さく限定的」と答えた。
会場の市民からは「事故が起きるのか、起きないのかイエスかノーで答えて」「フルMOXの実験に私たちを使っているのでは」「子どもや孫に廃棄物を残して死んでいきたくない」などと声が挙がっていた。
提供 - 函館新聞社
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