道南の医療関係者ら、乳がん研究会設立へ

update 2010/1/26 09:33

 道南の乳腺疾患治療にかかわる医療関係者や保健師などでつくる「道南乳腺疾患研究会」が28日に設立される。検診受診率が低い住民への啓発と、地域連携クリティカルパス(治療計画)の統一を目指す。同日に函館五稜郭病院で設立総会と記念講演会を予定。木村純代表世話人(市立函館病院副院長)は「病院と職種の違いを超えたがん診療の組織としては、道内で初めて」として今後に期待する。

 乳がん検診の受診率は、ほかのがんと比較すると全国的にも低く、07年度では全国が14・2%。函館市が行う検診では40歳以上の隔年に検診料を助成するが、9・2%にとどまっている。

 このため医師らは啓発の必要性を痛感。さらに病院間で異なる治療計画を統一し、将来的には道内共通の治療計画にすることを目指して立ち上げる。前段として、道のがん拠点病院に指定され、それぞれの治療計画を持つ市立函館病院と函館五稜郭病院は、昨年冬にこれを統一した。

 木村代表は「道南地域で乳がんを早く見付け、治すことが目標」と話す。医師や放射線技師、臨床検査技師、薬剤師、看護師、保健師など、乳がんの発見や治療に携わる多くの職種が会員となる予定。現在函館市内の11医療機関と市立函館保健所、渡島保健所から約90人が参加する見込みだ。

 設立後は、道南全域の乳がん治療に携わる関係者に参加を呼び掛け、市民向けフォーラム(初回は4月に予定)や、医療職向けフォーラム、研修会などを定期的に行う計画。木村代表は「人や知識の交流を活発にすることで、乳がん診療全体のレベルアップにもつながる」と話している。

提供 - 函館新聞社




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