豊漁できょうにも終漁 スケトウダラ刺し網
update 2010/1/24 16:42
豊漁が続く噴火湾を中心とする道南太平洋海域のスケトウダラ刺し網漁が、国が定めた漁獲可能量(TAC)に例年より1カ月ほど早く達する勢いで、24日の水揚げで今季の操業を終える見通しだ。主漁場の一つ、函館市南茅部地区では23日早朝、今季最後の投網を終えた。関係者からは資源管理型漁業の制度とはいえ、漁期を残しての終漁に憤りの声も上がっている。
渡島支庁水産課によると、18日現在のスケトウの漁獲量(速報値)は、渡島管内が前年同期比約1.5倍の約2万6300d、胆振管内が同約1.2倍の約2万200トンで、年度内のTAC枠の約95%を消化。ここ数日は荒天で漁に出られない日が続き、23日の投網分を24日に引き揚げて終漁となる公算が大きい。
TAC制度では本年度、渡島と胆振管内分として年内に3万4000トン、年明け以降に1万トンの計4万4000トンが配分設定されていたが、今季は10月1日の解禁直後から豊漁が続き、年明け以降分を前倒しし、年明け後も定置網などに割り当てられる5000トン分を融通させていた。
南かやべ漁協では、今季の豊漁を受け、減網や出漁規制などの自主的な対策も打ってきた。中村正俊常務理事は「浜の漁業者すべてがTACや資源量評価の算定基準に不満を抱えている。制度は十分理解しているが、1カ月も出漁できなければ死活問題」と話す。
今季は魚価も低迷し、特に10月のはしりの時期は平年の半値近い1キロ30―40円台と振るわなかった。同地区の男性漁師(50)は「魚がいないならあきらめもつくが、魚探(魚群探知機)に反応があるのに港に引き返すのはつらい。安値とのダブルパンチで、このままではスケトウ漁では食っていけない」とやり場のない怒りをぶつけている。
提供 - 函館新聞社
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