がん患者への支援 いかに 函病で集会

update 2010/1/24 16:41

 患者の体験談などを通じて地域のがん医療について考える「がんタウンミーティング2010inはこだて」(渡島保健所主催)が23日、市立函館病院(函館市港町1)で開かれた。医療関係者や患者、家族らが実例を報告し、がん患者への支援の在り方を探った。

 長年にわたり死亡原因1位のがんについて理解を深め、早期発見に向けたがん検診の受診率を高めようと、道南では初めて開催。この日は患者や家族、医療関係者ら約160人が参加した。 はじめに市立函病の木村純副院長ががん医療の現状を紹介。男女とも2人に1人ががんに罹患(りかん)する統計を示し「患者の6割が在宅療養を望むのに、家族負担への懸念から9割が病院で亡くなっている。家族を中心に医療機関や訪問看護などと一層の連携が必要」と指摘した。

 函館おしま病院の福徳雅章院長は緩和ケアの重要性を語り「体と心の苦痛を同時に理解することが大切。その人らしさを尊重し、患者のニーズに合った地域医療サービスを」と強調。訪問看護ステーション西堀の池田ひろみ所長は「訪問看護は患者や家族の不安を一瞬でも取り除くこと。より良い死を迎えるのではなく、より良く生きるためのお手伝い」と話した。

 続いてがん患者の家族ら3人が実際の体験談を発表。弟を胆管がんで亡くした市内の武知美和子さんは、弟が病床で残した詩歌の作品集づくりを通じた家族のきずなを説き「毎日が期待と不安の繰り返し。弟や義妹から生きる勇気をもらった」と打ち明け、会場からはすすり泣く声も漏れた。

 このほか、市内の泉光子さんは乳がんだった妹が受けた在宅ケアをスライドと手記で紹介。乳がんの抗がん剤や放射線治療を受けた堂林真弓さんは、がん検診の早期受診や、患者会などのネットワークづくりを勧めた。

提供 - 函館新聞社




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