サトイモ 本格生産に期待 試験栽培の経過順調

update 2010/1/22 10:23

 【厚沢部、乙部、上ノ国】桧山南部の厚沢部、乙部、上ノ国の3町では本年度、新たな戦略作物の導入に向けてサトイモの試験栽培が行われた。試験栽培の経過は各町とも順調で、新年度以降の本格生産に向けた期待が高まっている。

 厚沢部町では2003年度から、町内で焼酎製造を行う札幌酒精工業などが、焼酎用サツマイモの生産を開始。道内では難しいとされてきたサツマイモの栽培が順調に進んでおり、東北以北では生産が困難とされているサトイモの導入についても、可能性が注目され始めている。

 収益性の高い新規作物の導入を検討している3町は本年度、桧山南部では生産の実績がなかったサトイモの試験栽培をスタート。上ノ国町では本年度、桂岡地区で4戸の農家が10eを作付けし、昨年11月上旬に初収穫を迎えた。町産業課は「結果は良好だ。試作段階ながら10キロ当たり2000円の値が付いた」と話す。11月上旬は他の作物の収出荷が一段落しており「他の作物と重複しない時期に収入が見込め、価格も安定していることが魅力。複数の農家が栽培を希望している」という。

 同じく20アールを作付けした乙部町富岡地区では、10アール当たり1トン程度の収穫があった。夏場の天候不順の影響で、収穫量は当初の予測を下回ったが「栽培方法はジャガイモとほぼ同じ。本格生産には土落としや根を切断する機械が必要となる。3戸程度の農家が機械導入を含めて検討中の段階」(乙部町農林課)という。厚沢部町でも町農業活性化センターで試験栽培を行ったところ「予想以上にイモが着生し、町内でも栽培可能であることが実証された」としている。

 国内では中国産サトイモが幅広く流通しているが、安全な農産物を求める食品業者を中心に国産のニーズが高まりを見せている。こうした中で桧山管内でもサトイモ生産への期待が高まっているが、国内他産地との競合も予想されることから、道外市場を視野に入れた作付けや出荷時期の検討、輸送費を含めたコスト低減対策などの課題も多い。乙部町は「道内での市場開拓や需要の掘り起こしも大きな課題。食品加工業者を中心に販売先を模索していきたい」としている。

提供 - 函館新聞社




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