「海炭市」オーディションに応募120人

update 2010/1/13 13:11

 函館出身の作家、佐藤泰志の遺作「海炭市叙景」の映画製作で、7日に締め切った市民オーディションの応募総数は約120人に上った。道内外のほか、遠くは中国・上海からも申し込みがあり、菅原和博製作実行委員長は「作品にさまざまな人が思いを抱いていた」と驚いている。実行委は映画に出演するネコも探しており、「でっぷり太った人見知りしないネコを募集中」と呼び掛けている。

 映画は函館をモデルにした「海炭市」に生きるさまざまな市民の人生の断片を描き、加瀬亮さん、小林薫さんらの出演が内定している。市民オーディションは熊切和嘉監督の発案で昨年末から参加を呼び掛けたところ、約10日間の期間中に100人を超える応募が殺到した。函館市内のほか、道内や大阪、東京、神奈川などからあり、年齢層は小、中学生や主婦、退職者らなど幅広い。中には親子応募もあったという。

 応募動機を書く自己アピール文には応募者が人生を赤裸々につづったり、作品への熱い思いをまとめた内容が多く、菅原委員長は「『生きる意味を映画で見つけたい』などの強い思いが伝わる文面が多く、小説が映画だけでなくさまざまな広がりがある作品だとあらためて実感した」と話している。

 面接オーディションは17日に市内で行う予定。熊切監督らは12日から来函し、各地でロケハンを行っている。

 募集しているネコは、原作と同じように産業道路沿いに住むトキ婆さんの飼いネコ役。7、8歳程度で種別は問わない。問い合わせ、申し込みはアイリスTEL0138・31・6761(午前11時―午後2時)か事務局(nisibori@ms7.ncv.ne.jp)まで。

提供 - 函館新聞社




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