漁獲高は過去10年で最低 量は前年比9%増…09年度渡島管内

update 2009/12/30 13:38

 渡島支庁は、2009年の渡島管内(八雲町熊石地区を除く)の漁業生産高をまとめた。ホタテやスケトウダラなど主要魚種が好調で、数量は21万6000トンと前年比で9%、1万70000トンの増加。一方、消費低迷で魚価が下落傾向にあり、金額は前年比6%減の419億円にとどまり、過去10年間で最低水準に落ち込んだ。

 主要魚種別でみると、全体の半数近くを占めるホタテの漁獲量が同10%増の10万1500トンと2003年以来6年ぶりに10万トンを超えた。噴火湾でホヤ類の一種ザラボヤが大量発生した影響は数字上は表れず、「ザラボヤが生育するほど海域に餌が豊富だった」(水産課)。額では単価下落に伴い同8%増の134億8000万円。

 スケトウダラは、今年の秋以降、噴火湾を中心に豊漁が続き、数量が同2倍以上の3万6100トンと急増。サケも今季は当初の不漁予測が一転、数量で同2.4倍の1万700トンと過去10年で最も多かった。ただ、ともに魚価の低迷で額ではそれぞれ30億3000万円となり、スケトウが同27%、サケが同65%の増加幅にとどまった。

 一方、スルメイカは「今年は近年にない大不漁」(産業振興部)で、数量が同41%減の2万8700トンと過去10年で初めて3万トンを割り込んだ。水産課は「昨年も良くなかったが、後半の定置網が好調で盛り返した。今年はそれがない」と話す。魚価は1キロ当たり同25円増の195円と上昇したが、額全体では同32%減の56億円と過去10年で最低だった。

 このほか、コンブは養殖が振るわなかったものの、天然物が健闘し、数量で同3%減の6300トン、額で同12%減の86億3000万円とほぼ横ばいを維持。マグロは数量で同6%増の380トンとプラスに推移したが、100キロ超の大物が少なかったほか、不況で消費が冷え込み、魚価が下がっていることもあり、額では同32%減の8億4000万円と苦戦した。

 同支庁水産課は「魚種によって漁獲量では明暗が分かれたが、市況の低迷で魚全般の単価は下落傾向にある。2010年も国内全体の経済情勢による部分が大きく、引き続き管内の漁獲高が影響を受ける可能性もある」としている。

提供 - 函館新聞社




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