いつも笑顔 健康の妙薬…若松町の丑ヶ谷さん(91)
update 2009/12/21 09:51
函館市若松町の丑ヶ谷(うしがたに)タエさん(91)は、今年も張り切って、師走恒例の町会もちつき大会に参加した。子どもたちが元気よくもちをつく姿に目を細め、「あぁ、甘くておいしいお汁粉だこと。昔を思い出しながらおいしく味わった。こんな幸せなことはない」と満面の笑みで至福のときを満喫した。
丑ヶ谷さんは、秋田県出身。22歳で結婚し、函館に来た。夫の喜一さん(享年64)の家族とともに長年、甘いあんこの「おやき屋」で生計を立ててきた。
毎年この時期になると思い出すことがある。嫁入りして間もなかったある冬の夕食時のこと―「どんなに忙しくても、いつも笑顔で働いてくれる。よぐ函館に来てくれた。タエの笑い顔は、丸いおやきのようであったかい」。
店頭で一生懸命に接客するその様子を見て、喜一さんらがかけた言葉だ。
ふるさとを離れて暮らしてきたが、周囲の優しさが寂しい思いの芽を摘んだ。「長い人生だから、苦労はつきものだけど、苦労話ばかりしていてもどうしようもない。同じ時間なら楽しい話をしたほうがずっといい」。前向きな気持ちが日々を支えた。
今年5月に腰痛で、入院した。これといった病気をもたない丑ヶ谷さんの様子に驚いた親類が、各地から駆けつけた。痛い思いをしたが、「100歳以上、長生きしてね」と孫に言われたのがうれしかった。
今秋から、デイサービスセンターに通い始めた。これまで以上に毎日が新鮮で、楽しみが増えた。腰痛も回復へ向かい、もちつき大会でさらに元気をつけた。
おわんのお汁粉をすすりながら、「決して人前で難しい顔をせずに笑顔で。誰かが困っていたら助ける。人さまに感謝する謙虚な気持ちでいれば、自分もほかの人もみんな優しい気持ちになれる」と張りのある声で語り、「ねっ、そうでしょ」と笑った。
提供 - 函館新聞社
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